雑報延岡

地元の宮崎県延岡市のことを中心に書いていきます。たまに違うことも書きます。

宮崎と自殺

 

宮崎県が全国的に見て自殺率の高い県であるということを知っている人はどれくらいいるのでしょうか。平成27年の県内の自殺者は255人であり、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は23.2人で、全国で3番目に高い数字になっています。(参考までに、自殺死亡率の全国平均は18.5人です。)

今回はその理由について考えてみたんですけど、ズバリわかりませんでした。どれも決定的な根拠がありませんが、僕の頭の中で考えたことを書いてみようと思います。

 

1.「自殺するなら宮崎が良い」説

自殺の名所ってありますよね。富士山の樹海とか東尋坊とか。もしかして、宮崎も自殺の名所になってしまっているのではないか、そう考えたわけであります。僕個人の考えですが、北国の断崖絶壁から海に身を投げるよりかは、ぽかぽか陽気の中で最後を迎えたい気はします。話を戻します。この説を立証するのに必要なデータは自殺者の出身地。少し細かい話になってしまうのですが、自殺者をカウントする方法は2つあるそうで、一つは、死体の発見現場を基にする方法。もう一つは自殺者の住所を基にカウントする方法。つまり2つの統計結果があるわけです。前者と後者の結果に大きな差があれば、少なからずこの説に正当性があると考えました。しかしですね、宮崎の自殺率はどちらの統計方法に基づいても高いのです。本県の自殺死亡率は4位(発見現場を基準)と3位(住所基準)となっています。つまり、宮崎で自殺する宮崎の人が多いというわけであります。故に、この説は成り立たないということになります。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/h28kakutei_1.pdf(発見現場を基にした統計)

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/fukushihoken/kenko/shakaifukushi/documents/3806_20170324114703-1.xls (住所を基にした統計)

 

 

2.「パチンコと自殺が関係している」説

 

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宮崎は人口当たりのパチンコ台数、パチスロ台数が全国で1位というデータがあります。そこから、ギャンブル依存に陥る人が多く、多額の借金を抱えた末に自殺する人が多いのではと考えました。この説が正しいのであれば、人口当たりのパチンコ台数が多い県ほど、自殺率が高いことになります。宮崎以外のパチンコの多い県を見てみると(大分県鹿児島県群馬県など)、自殺死亡率とのはっきりとした関連性は見つけることができませんでした。また、この説ではパチンコだけを特別視しているため、その他のギャンブルと自殺の関係性を無視していることになります。単純に「パチンコが多い=自殺が多い」と言い切ることはできません。

http://j-town.net/tokyo/column/gotochicolumn/202594.html?p=all (画像のページへのリンク)

 

3.「そもそも地方で自殺が多い」説

自殺死亡率上位の県を見てみましょう。秋田県岩手県新潟県、宮崎県、鳥取県山梨県。これらの県の共通点としてまず挙げられるのが地方だということです。地方の特徴としては、低賃金、交通の便の悪さ、娯楽の少なさ、人口減少、などがあります。これらのマイナス要素が絡み合って、高い自殺率につながっているのではないかと考えました。少し大雑把なまとめになってしまいますが、この中にも自殺を決定づける要因があると言い切ることはできませんでした。ただ、地方で自殺率が高い一方、都会では自殺率が低い傾向にあります。ここに何かヒントがあるような気はします。

 

結論

最初にも述べましたが、自殺には謎が多いようです。すべての人が遺書を残すわけではないですし、すべて遺書の中に自殺の理由が書かれているわけでもありません。死人に口なし、です。県も対策に乗り出していますが、分からないことが多いため、すぐに功を奏する問題ではなさそうです。自殺というと自分とは無関係だと言う人は多いと思いますが、身の回りで自殺をした人がいる人は少なくないはずです。そう考えると、個人にも何かできることがあると思うのです。自殺をする人には何かしらの兆候があるといいます。周りを気遣うことのできる県民性こそ本当の「あったかひなた暮らし」なのではないでしょうか。